コンセプト:
私がクラフトビールの魅力に取り憑かれた大きな理由のひとつとして、「色々な素材を使える」ことがあります。穀物から野菜に果物、ハーブにスパイス、ありとあらゆる素材を使って醸造される商品の多様性に魅力を感じるのです。
元々、学生時代に生物系の研究室で研究をしていたこともあり、仮説を立て、方法を選択し、実験を行うという系統が自分の中に存在していたため、何か面白い素材を見つけるたびにワクワクしていたのです。
その面白い素材の中でも「すんき」というのは、歴史・文化的にも非常に魅力のある地域の素材でした。そもそもの出会いは、同じく学生時代に遡ります。微生物の研究室にいた頃、伊那谷からほど近い木曽に根付く乳酸菌発酵させた伝統漬物「すんき」の乳酸菌の研究を、当時の教授「保井久子先生」が主導されていたのです。そういった背景からも、クラフトビール醸造をはじめてからずっと、すんきを使って商品開発をしたいと思い続けていたのです。
そして、今回新しいブランドとして立ち上げたのが「試験醸造シリーズ」です。作り手の立場として、はたまた研究者の立場として、「この素材を使ったらどうなるのか?」という疑問を解消するべく、シリーズ毎に異なる素材をピックアップをして、醸造するという今までの商品とは異なる視点になります。
シリーズ第一弾の「すんき」を使ったこの商品は、ドイツ発祥のゴーゼというスタイルで、乳酸菌発酵させた酸味のある味わいに、塩を加えた旨味たっぷりの商品に仕上がっています。酸っぱいビール?と思われる方もいるかと思いますが、あなたの味覚にとっても試験的な商品。ぜひ爽やかな酸味を楽しんでみてください。
ラベルデザイン
In a daze Brewing