
コンセプト:
私たちが生まれる前から引き継がれているもの。 技術、建築物、文化、音楽いろいろありますが、その中でも、この伊那谷の高遠にあるとうがらしに私たちは出会いました。
芝平なんばんは、明確にいつから栽培されていたということはわかっていないのですが、間違いなく昭和30年よりも前から、「芝平(しびら)」地区で大切に育てられていました。 昭和36年の深刻な天災により、芝平地区の人たちは高遠の他の地域に移動することとなったのですが、芝平地区に兀々と続くとうがらしの種も一緒に持ち運び、現在の上山田区にて栽培が続けられているのです。 そんな危機的状況においても、生き残り、地域の人たちに愛されるとうがらし「芝平なんばん」。
サイズは15cm〜20cmと大きく、一般的な鷹の爪と比較すると特大とうがらしにも見えます。長野の北の方にある「ぼたんこしょう」と比べても、大きさも形も辛みの強さも違う点、とても不思議です。そんなお話は信州大学農学部のとうがらし先生、松島憲一教授に教えていただきました。
また、とうがらしは赤く、乾燥したものが一般的かと思いますが、芝平なんばんは緑のままお料理に使ったりすることが一般的で、その青々とした瑞々しい香りが楽しめます。 今回私たちは、高遠で現在栽培をされている赤羽さんにご協力いただき、収穫したての芝平なんばんの緑のものと赤のもの両方を使っています。
さらに、タップルームにある薪窯を使って、赤松と黒文字の木で燻製をしたのちに仕込みに利用しているので、燻製の香りと瑞々しい芝平なんばんのフレーバーとアロマと辛味が楽しめるようになっています。
伝統は無形のもの有形のもの世界各地に存在しますが、「野菜/種」というのも一つの伝統であること。それをひとつ知ると、地域の野菜や食文化への興味がいっそう湧いてきませんか?背景にある物語を紐解くと、その一口がより美味しく感じられるはず。
ラベルデザイン
In a daze Brewing